高校時代、友人二人のお母さんから、それぞれ 「うちの子が学校に行けているのは、村上くんのおかげなの」 と言われたことがあります。
当時の私は、誰かを支えているという意識はありませんでした。 ただ一緒に話し、笑い、その人が自然にいられる輪の中にいただけだったのだと思います。
振り返ってみると、私は昔から、人を強く引っ張るというより、 人が孤立せず、その場にいられる空気をつくることが好きだったのかもしれません。
LIXILでの知識共有も、まんせきBarも、婚活支援も、仕事は違って見えます。 でも根っこにあるのは、人と人のあいだに立ち、 つながるきっかけをつくることです。
私のナレッジマネジメントは、最初から大きな構想を描いて始めたものではありません。
2002年、工場経理で働いていた頃、同じような問い合わせが何度も繰り返されていました。 誰かが知っていることを、別の誰かが知らずに困っている。 それなら、みんなが見られるようにすればいいじゃん。 そう考えて、Excelを使った知識共有の仕組み「書庫」を作りました。
始まりは、会社を変えようという壮大な改革ではありません。 目の前で困っている仲間を、少しでも早く助けたかっただけでした。
小さく作り、使ってもらい、反応を見ながら直していく。 喜んでもらえたら、また次へ広げていく。 その積み重ねが部門の活動となり、やがて全社で使われる「知識の木」へ発展しました。
最終的には4,758人が活用し、年間13万回以上使われ、約2億4千万円の効果につながりました。 感謝や称賛を伝える仕組みも年間5,000通以上使われ、人と人との間に生まれた物語は132話になりました。
ただ、私がこの経験から学んだ一番大切なことは、数字ではありません。 仕組みやツールを用意しただけでは、人は動かないということです。 困りごとを出せる空気、助けてもらった時の感謝、小さな行動へのリアクション。 そんな人と人との関係があって、初めて知識は動き出します。
LIXILで続けてきた実践を、会社の中だけで終わらせたくありませんでした。
2018年に始めた社会人コミュニティ「SECILALA」、NPO法人SECIプレイス、 日本ナレッジ・マネジメント学会での活動、毎週月曜に開く「まんせきBar」、 そして講演や執筆活動。
形はそれぞれ違いますが、根っこは同じです。 肩書きや組織を越えて人が出会い、本音を話し、学び合い、 そこから新しい一歩が生まれる場をつくってきました。
ナレッジマネジメントと婚活支援は、まったく違う仕事に見えるかもしれません。 でも、私の中では一本につながっています。
相手の話を聞き、その人の中にある思いや強みを見つけ、伝わる言葉にする。 一人では迷ってしまう時に、一緒に状況を整理し、次の一歩を考える。 そして、本人が自分で決めて動けるように、安心できる空気ときっかけをつくる。
会社やコミュニティで人と人をつないできた経験を、 今は一人ひとりの婚活に生かしています。 相手を紹介して終わりではなく、その人らしい魅力が伝わり、 ご縁が少しずつ育っていくところまで伴走します。
プロフィールづくりや写真選びから、お見合い前の作戦会議、 交際中のLINE相談、デート後の振り返り、 プロポーズの準備まで、一緒に考えながら伴走しました。
もちろん、結果をつくったのは会員さん自身です。 私が結婚させたわけではありません。 けれど、一人では迷いやすい場面で状況を整理し、 必要な時に背中を押す人がいることには意味があると感じています。
この経験は、空のベンチが目指す 「親身に伴走する婚活」を形にした、大切な事例になっています。
婚活では、相手を探すことだけでなく、自分の気持ちや魅力と向き合う時間も必要になります。
私は、何でも優しく肯定するだけの仲人ではありません。 必要な時には率直に伝えます。 ただし、本人の意思を置き去りにして、無理に動かすことはしません。 楽しく前向きに、でも大切な場面では本気で向き合う。 そんな伴走を大切にしています。
結婚相談所 空のベンチ [SORANO BENCH]
活動エリア|立川市・八王子市・日野市 を中心とした多摩エリア、および中央線沿線。オンラインは全国対応